公的年金制度破たん説の根拠

公的年金制度は破たんするか

日本では様々な形で社会保障政策がとられるようになっています。
中でも重要視をされているのが「公的年金」の制度です。
働くことの出来なくなった一定年齢以上の老齢者に対して、それまでに支払った金額に応じての給付を行うというのが公的年金制度の大まかな内容ですが、これは「現役世代に対して老齢者世代の生活費用を負担させる」ものであるともいえます。
老齢者が現役の時代に支払ったお金はそのまま貯金されるのではなく、そのときの老齢者の年金に充てられるからです。
今後の日本社会では高齢化が進むと見られているため、老齢者の年金を負担する現役世代が減少し、結果として公的年金制度は維持することが出来なくなり、いずれ破たんするものであると考えられているのです。


破たんの確率は低い!?

では果たして「公的年金制度の破たん」は本当に発生するのかというと、一部では「破たんは間違いない」と言われてはいるものの、社会システムや経済システムを専門とする識者からすれば「破たんする確率はごく僅かである」というのが通説になっています。
一見すると、老齢者の生活資金を供給する現役世代が減少する社会では、年金制度を維持することは不可能のようにも見えますが、「破たんする確率は僅かである」とする根拠は何でしょうか。

生活保護との関係

まず最も大きな根拠となるのが「生活保護」の存在です。
現在の日本では「通常の生活が困難であり、申し込み段階で行える自助努力には限界がある」と判断された場合、税金によって生活保護給付が行われるようになっています。
この生活保護制度は非常に強固なセーフティーネットとして扱われているため、今後も継続していくことが確実視されています。
そして万一公的年金制度が失われたのであれば、日本に存在する高齢者3000万人以上に対して、継続的な給付が必要になるのです。
そうなってしまえば発生するのは「莫大な金額の税金負担」ということになりますから、生活保護制度がある限りは公的年金の制度を失わせるメリットが限りなく低くなるのです。

IMFによる救済の前例

またかつて国家経済が破たんし、公的年金の存在が失われた実例があります。
それがソビエト連邦ですが、当時は「公的年金制度が失われたことによって発生する老齢者への負担をIMFが肩代わりする」という形での救済が行われました。
IMFがこうした前例を作っている以上、万が一日本国内での公的年金制度が破たんしたとしても何らかの救済策が行われるという見方をできるのです。
こうした理由から識者は「公的年金制度が破たんする確率は限りなく低い」として論じることとなっているのです。